相場を取り巻く環境は時代とともに変化をします。

20年前では自宅にいながら、ネット上で直接注文ができるということは想像できなかった世界ですし、手数料も当時と比べて格段に安くなっています。

これらの変化に伴い、デイトレードやスイングトレードなどで短期に資金を回して行くという考え方もでてきましたし、最近ではFXの自動売買であるリピート系注文も流行っているようです。


しかし、いくら取り巻く環境が変わっても変わらないものがあります。

それは、人間の心理です。


相場の世界は、人を有頂天にさせたり、人を傲慢にさせる世界です。

ひとときは大きく稼ぐことができても、足りるを知らざる傲慢さが原因で多くの人が地獄の淵に沈み込まされます。

だからこそ、相場社会というものは何百年ものあいだ続いてきたのだと思います。



マーケットの性格やスケールはその時々で変化をしますが、相場をやっている人間の心理は不変です。


例えば、命取りになりかねない行為の一つに「損を取り返そう」という行為があります。


損を取り返そうと思って売買を繰り返すという行為は、致命傷となりますが、必死で取り返そうとしている最中は自分ではブレーキをかけることが難しく相場を難しくさせます。


古今東西、天下を取ろうと策を弄した者に天下が取れたためしがないと、思想家の老子は言っています。

「取ろうとすれば失う」という発想は相場の世界にも当てはめることができると思います。

「取ろう!取ろう!」と思えば思うほど、相場で安定して利益を得る状態から遠ざかり、むしろ勝手に厳しい状態へ追い込まれてしまうことが多いです。

この事が分かってきた人は大きな間違いを起こさないです。これは、勝ち過ぎることもしないとも言えます。

損失から学ぶことも多いのが相場の世界ですが、勝ち過ぎている状態も人を傲慢にさせるので注意が必要です。