「損切り」という言葉と「ロスカット」という言葉があります。
どちらも同じようなことを言っている場合もありますが、ちょっと意味合いが違ったりもします。
言葉の使い方なので、どちらを使っても売買の成績には大きな違いは出てきませんが、一応は言葉の違いもしっかりと理解しておく必要があります。
ここでは、損切りとロスカットの違いを説明すると共に、FX投資で破産をしないために絶対に必要な考え方をお伝えしていきます。
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損切りとロスカットの違い
損切りとは
上がると思って買ったが下がってしまった時に、撤退ポイントまで下がった時に一度売って損を確定させることを「損切り」といいます。損切りは、あらかじめどういった状態になったら損切りをするのかを、自分で決めておくことができます。
損を確定させることができないで、ポジションを抱え込むことを「塩漬けにする」などとも言います。
FXでも株でも同じなのですが、損切りができないという人が多く、そのせいで大きな損を出してしまい、中には破産をする人もいます。
なので、投資において「損切り」はとても大切な考え方なのでそのことは強く協調しておきます。
ストップオーダー(逆指値)
今ではどこのFX業者でもストップオーダー(逆指値)を設定できます。なので、ポジションを保有したら撤退ラインにストップオーダーを入れておくことで、自分がチャートを監視できない時間に相場の変動があっても、損切りをすることができ損失をコントロールすることができます。
逆に言えば、ポジションを保有したらすぐにストップオーダーを設定しておくくらいの癖をつけた方が良いです。
ロスカットとは
「ロスカット=損切り」という意味合いでロスカットという言葉を使う人もいます。なので、「ロスカットできない」「ロスカット貧乏」「ロスカットが早すぎた」などと言う言い回しもあります。
しかし、FX業者の公式サイトなどを確認すると、どの業者も「ロスカット=損切り」とは違う意味合いで「ロスカット」という言葉を使用しています。
正確にはロスカットは強制ロスカットになった場合に使用する言葉のようです。
強制ロスカットとは
強制ロスカットとは含み損が大きくなった(一定の水準に達した)時に、FX業者が強制的に全てのポジションを決済をすることをいいます。ロスカットのルール
ロスカットが発動する場合はどんな場合なのかも見て行きます。細かい数字はFX業者によって多少異なりますが、ここではDMMFXを例に見て行きたいと思います。
DMMFXでは証拠金維持率が50%以下になった場合にロスカットルールが発動します。
例えば口座に100万円の資金を入金したとして、ドル円を買ったとします。
- ドル円のレートは102円
- ドル円を1Lot買うのに必要な証拠金は40,800円
- レバレッジは25のコース
102円のドル円を18Lot買って、更に2Lot分の買い注文を出していたとすると、買った直後は
建玉可能額 | 184,000円 |
---|---|
建玉評価損益 | 0円 |
出金可能額 | 184,000円 |
純資産額 | 1,000,000円 |
注文証拠金 | 81,600円 |
ポジション必要証拠金 | 734,400円 |
預託証拠金残高 | 1,000,000円 |
証拠金維持率 | 125.05% |
建玉可能額 | 0円 |
---|---|
建玉評価損益 | ‐565,200円 |
出金可能額 | 0円 |
純資産額 | 434,800円 |
注文証拠金 | 79,088円 |
ポジション必要証拠金 | 711,792円 |
預託証拠金残高 | 1,000,000円 |
証拠金維持率 | 49.97% |
証拠金維持率が50%を下回ってしまいますので、2Lotの買いの注文は取り消されて証拠金維持率は61.09%に回復します。
その後、再び証拠金維持率が50%を下回った場合に強制ロスカットが発動します。
あくまでも参考のための例ですので、リスク管理は自分の判断と責任で行うことは当然ですし、計算も自分でしっかりと行ってください。
破産しないために
強制ロスカットをくらってしまうほどの損を出した場合は、かなりのダメージでそれをすぐに取り返すことは難しいです。なので、ロスカットになる前に損切りをしてリスクをコントロールしなくてはなりませんし、余裕資金を十分に持った状態で売買を行うことも大切です。
- 損を確定させることが嫌なので損切りのオーダを取り消してしまう
- 少し戻った所で決済したいので、様子見をする
- ナンピンをする
なので、損切りルールはきちんと作り、そのルールを厳守することが大切なお金を減らさないようにするために必要なことです。
「トレードは失策の続くゲームである」という言葉もありますので、トレードを行うのであれば損切りは避けては通れないことですし、損切りができないと最終的には強制ロスカットになってしまうかもしれません。
まとめ
「ロスカット=損切り」といった意味合いで使われることも多いですが、ロスカットとは強制ロスカットになることを意味しています。そして、強制ロスカットにならないためには、損切りルールを決めて、それをしっかりと守る必要があります。
損失を確定することに抵抗があるのは良く分かるのですが、大損をしたり相場で破産してしまう人の多くに損切りができないことがありますので、大切な資産を守るために損切りは徹底しましょう。
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