相場で「絶対」とか「必ず」という言葉を使うのは良くないのかもしれません。
例えば、「必ず儲かる」とか「絶対に損しない」とかは、かなり怪しいフレーズです。
しかし、最終的に「必ず負ける」「絶対にいつか大損する」タブーが幾つかあり、その中の一つに「損切りをしない」「損切りができな」ということがあります。
損切りに関しての知識が無い状態や、損切りに対して甘い考えを持ってFXや株に手を出して、大金を失ったという話は掃いて捨てるほどあります。
確かに、相場環境が良ければ多少含み損を抱えていても我慢して放置しておけば、いつかは仕掛けた値段に戻ってくるでしょうし、マイナスのポジションがプラスに転じるので、損切りをすることは馬鹿らしく感じるかもしれません。
しかし、いつまでも都合の良い相場環境が続くことは無いので、損切りをせずに助かった経験は最終的には大きなツケとして払うことになります。
これは、古今東西同じで、昔から一時は相場で大儲けした人が消えていくということを繰り返していますし、今後も永遠と繰り返されることだと思います。
でも、損切りをマスターした人はその輪から一抜けすることができます。
なので、損切りを躊躇なくできるようになることはトレードするのであれば、絶対にマスターしないといけないことです。
損切りは実際に損をしてお金が減るのですから、誰だってやりたくない行為ですし、それを淡々と続けて行くためにはそれ相応のメンタル管理も必要になります。
これから、損切りについてお伝えしていきます。
とても大切なことなので、何度も何度も読み返して損切りの大切さについて考えてみて下さい。
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目次
損切りとは!
損切りとは抱えたポジションが損になった時に、決済して損失を確定させることを言います。ロスカットとかストップロスという呼び方をする人もいます。
例えば、ドル円を買ったとして上がれば利益になります。しかし、ドル円を買って下がってしまった場合は損になります。
仮に損の状態のポジションを抱えた状態で、その含み損がドンドン膨れ上がって行くと手が付けられない状態になって行きます。
それこそ、含み損が気になって夜も眠れない…仕事も手につかない!といった最悪の状態になり、最終的には自分が耐えきれなくなった額で決済をすることになるというパターンはFXではよく見られる光景です。
損切りは、そんな風に損がドンドン膨れ上がる前の段階(含み損が少ない状態)で一度決済をすることで大きな損を出さないための保険の様なものです。
損切りをすることで、それ以上損失が膨らまないようにすることができます。
とても大切な概念なのですが、利益になった時にはすぐに決済するけど、損になった時にはなかなか決済ができないという状態に陥りやすいのが人間心理です。
プロスペクト理論などという難しい理屈もあるのですが、簡単に言ってしまうと「儲けたい!」という気持ちと「損したくない!」という気持ちがトレードの邪魔をしているといえます。
頭では理解できていても、実際にポジションが損になっているのを見ると固まって何もできなくなったり、逆指値を取り消してしまうことも多く、お金が掛かりだすと感情のコントロールが難しいということはどんなに優秀な人間にも起こることです。
なので、FXを始めた初心者が一番最初にぶつかる壁が損切りができないことである可能性が高いです。
多くの人が損切りができない理由!
くどくなりますが、もう一度言います。損切りができないと必ず大損します。なので損切りは絶対に出来るようになる必要があります。
損切りができない理由について深く考えてみることで、損切りの大切さをお伝えできればと思います。
損切りをしなくても助かることもある
相場の厄介なところは、間違ったやり方をしていても利益になることがあるということです。損切りをしなくても、仕掛けた値段に戻ってくることも多いので、わざわざ損をする行為をすることがバカらしく感じるのは当然です。
しかし、損切りは保険です。
例えば100回のトレードを行って99回損切り無しの方法で上手く行ったとしても、1回の大損でそれまでの利益を吐き出したのであれば、その100回のトレードは全く意味が無かったと言えます。
このように、コツコツと積み上げてきた利益を1回のトレードで吐き出すことを、「コツコツドカン」と言ったりして、下手くそな人はコツコツドカンを何度も繰り返します。
メンタル的にキツイ
損切りをすれば損になるので、口座の資金は減ります。それが続けば段々とメンタル的に追い込まれて行くことになります。
また、損切りは自分の間違いを受け入れる行為でもあるので、その都度自分を否定されているかの様な気分になり、素直に損切りができないという人も多いです。
残念ながら、FXでリスクとリターンの関係は切り離すことはできませんので、為替を買ったり売ったりした時点で、ある程度のリスクを取っているということを自覚しないとダメです。
損になることもあるかもしれませんが、利益になることだってあるので、その辺りのバランスを自分の中でどう考えていくかが大切です。
損したくない気持ちが強すぎる
いくらコンピューターの技術が上がったり、人工知能が進化しても100%の勝率になるということは無いです。それは、未来を予想することは誰にもできないからです。
トレードの手法は、あくまでも過去の動きを元に優位性が高いであろうことを再現させたものだということは理解しておく必要があります。
なので、やはり思惑と違った場合は損切りをして、損失を限定させておかないと手法が外れた時に大きな損になってしまいます。
誰だって損をするのは嫌ですが、損をしたくないという思いが強すぎると、損切りができなくなり、その結果として含み損にしがみつき、最終的には大損になってしまうものです。
あまり、一回一回の勝ち負けにこだわるのではなく、トータルの成績に目を向けるようにしましょう。
高い勝率を求め続ける
FXで儲かったトレードを「勝ち」損したトレードを「負け」と考えるのが一般的で、どうしても勝率に目が行きがちです。人によっては、「勝率を高くすること=儲かること」だと考えてしまうかもしれません。
勝率が高いトレード手法が良いと考えるのは実は危険な考え方です。
もちろん、トータルの損益に勝率は関係してくるのですが、勝った負けたの回数とは別に儲かった時の値幅、損した時の値幅の関係もトータルの損益に関係してきます。
上でも書きましたが勝率が100%になることは無いので、トレードを続けて行けば、どこかで負けトレードは出てきます。
この時に、損の額が大きいといくら勝率が高くても、差し引きでは利益が残らない状態になります。
「損小利大」という考え方があり、これは、損するときには出来るだけ損を小さくして、利益になる時は出来るだけ利益を大きくすればよいという考え方です。
「損小利大」の状態を維持できれば、勝率が50%以下でも差し引きで利益にすることが出来ます。
利益を大きくするという考えは「欲張り」になってしまう可能性も出てくるので、難しい部分なのですが、損を小さくするという部分だけでも取り入れるべき概念だと思います。
損切りは意識して練習する必要がある
損をするのは誰だって嫌ですし、FXは儲けることが目的なのですが、大きな損を出してしまうと精神的なダメージが大きいですし、何よりもお金が無くなるのでFXを続けて行くことが出来なくなる場合もあります。多くの人がFXで負け組から抜け出せなかったり、大損をするのは、損切りができないことが原因だったりします。
なので、まずは損切りという概念があるということを良く理解して、損切りをしないといつかは大損するのだということを頭に入れておきましょう。
損切りができない理由は色々とありますが、意識して練習をすることでマスター出来る技術です。
ただ、練習の段階で大きな資金をつぎ込んでしまうと、それこそ目の前の損益に目が行き損切りが出来なくなってしまいます。
なので、FXをはじめるのであれば少額からスタートさせて、特に損切りについて徹底して練習を繰り返すと将来的に大きな金額でトレードを行うことが可能になります。
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