RSI(Relative Strength Index)はインジケータの中でも人気がある一つです。
RSIと書いて「アールエスアイ」と読みます。
相対力指数とも呼ばれるオシレーターで、相場の買われ過ぎ、売られ過ぎ、を判断するのに利用されます。
買われ過ぎや売られ過ぎが分かるために、トレンド転換をとらえるために使いたいのですが、相場を覚えてくると、単純にRSIの指示に従っていても、勝てないことに気が付きます。
そして、「ダイバージェンス」とよばれる逆行現象に着目するようになるかと思います。
ここではRSIやイバージェンスについてみて行きたいと思います。
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RSIの考え方
RSIは一定の期間の終値の値上がり幅や値下がり幅に着目して計算されます。計算式は、「任意の期間の値上がり幅÷(任意の期間の値上がり幅+値下がり幅)」になります。
オシレーター系のインジケータではストキャスティクスも有名ですが、高値、安値が計算値に入っていないことが大きな違いとなります。
これは、上ヒゲや下ヒゲが出現してもそのことはRSI上では考量されていないとなります。
任意の期間の上昇や下降の割合を求めることで、買いが優勢(買われ過ぎ)なのか売りが優勢(売られ過ぎ)なのかを見るためのインジケータです。
RSIの数値が
- 70~80%以上になったら買われ過ぎ
- 20~30%以下になったら売られ過ぎ
ありがちな、解説では
- RSIが75%以上になったら売れば良い
- RSIが25%以下になったら買えば良い
RSIはあくまでも一定の期間の中の傾向が買いに傾いている、売りに傾いているということが分かるだけで、それ以上でもそれ以下でもないので、買われ過ぎているから売る、売られ過ぎているから買うだけでは通用しません。
実際問題、強いトレンドが発生した時はRSIが買われ過ぎ圏内や売られ過ぎ圏内で張りついたまま、ローソク足だけがドンドントレンド方向に進んでいくことがあります。
関連記事:ストキャスティクス~RSIとの違いやダイバージェンスについて!
2つのダイバージェンス
RSIを使って「買われ過ぎエリアで売る」「売られ過ぎエリアで買う」だけではダメなことは、上記でも説明しましたし、実際にRSIを使って売買をやってみればすぐに分かるかと思います。ここからは、RSIのダイバージェンスという現象について見て行きます。
ダイバージェンスは
- ローソク足は下がっているのに、RSIは上がっている
- RSIは下がっているのにローソク足は上がっている
ダイバージェンスが起こるということは、下落や上昇の勢いが弱まってきたとも判断できますので、単純に売られ過ぎや買われ過ぎのシグナルとして利用するより精度が上がります。
ダイバージェンスにも2種類ありますので、それぞれ見て行きます。
一般的なダイバージェンス
上はドル円の日足チャートに14間のRSIを表示させたものです。
ダイバージェンスが起こっている部分に青い線を付けました。
それぞれ、ローソク足とRSIの動きに逆行現象(ダイバージェンス)が発生していています。
一番左のダイバージェンスは、売られ過ぎエリアに到達していないタイミングでのダイバージェンスなのであまり上昇をしていないことも分かります。
ヒドゥンダイバージェンス
上のようにダイバージェンスは相場の転換を狙っていく考え方なのですが、それに対してトレンドがまだ続くであろうと考えるRSIの使い方もあります。そのためにはヒドゥンダイバージェンスという考え方を使います。
上のチャートではヒドゥンダイバージェンスを使い、まだ下げが継続するであろうと判断できるポイントに青いラインを付けました。
ローソク足の高値は切り下げているのに対して、RSIの高値は切り上げています。
一番左でもヒドゥンダイバージェンスが起こっていますが、基本的にはトレンドの継続を判断するために使いたいので、右二つのようにこれまで下落してきた最中にヒドゥンダイバージェンスを確認できたので、まだ下落方向にトレンドが続くだろうと考える方が綺麗な使い方だと思います。
このパターンも逆行現象ですが、通常のダイバージェンスとは逆のパターンなので今後下落方向にトレンドが出やすいのでは?と相場観測をすることができます。
もう一枚チャートを確認します。
今度は買いのヒドゥンダイバージェンスです。
ローソク足の安値が切り上がっているのに対して、RSIの安値は切り下がっています。
なので、これまでの上昇トレンドがまだ続くと考えてトレードを組み立てて行きます。
関連記事:移動平均線を使ってダマシを回避する!FXで勝率を上げるコツ!
転換か継続か
ここまでRSIの「ダイバージェンス」と「ヒドゥンダイバージェンス」を見てきました。一言でまとめると
- ダイバージェンス=転換(反転)のシグナル
- ヒドゥンダイバージェンス=トレンドがまだ継続するシグナル
転換を狙うのであればできれば、買われ過ぎエリア(70%以上)、売られ過ぎエリア(30%以下)の部分で起こるダイバージェンスを探すようにしたいです。
また、強いトレンドが発生した場合はRSIの数値は上や下に張りついたままローソク足だけがドンドントレンド方向に進んでいきますので、そんな場合はヒドゥンダイバージェンスを上手く見つけて行けば、反転狙いの逆張りで負けてしまうミスを防ぐことができます。
売買ルールを作るときの注意点
RSIはあくまでも終値を元に作られた補助的な役割をしてくれる道具です。なので、70%以上だから下がる、30%以下だから上がると言ったバイアスを掛け過ぎるとトレンドが強く発生するとドカンと負けることになります。
売買ルールを作る時は、例えばトレンドラインや水平線をメインに考えつつプラスの要素としてRSIを取り入れるとトレードの精度が上がると思います。
まとめ
RSIは相場の「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を見るためのインジケータですが、「買われ過ぎだから今後下がる」「売られ過ぎだから必ず上がる」といったことにはなりません。あくまでも、一定の期間の相場が売られ気味なのか買われ気味なのかが分かる道具なので、トレードを行う際の補助として上手に利用すべきです。
ダイバージェンスを上手く取り入れて、RSIを使ったチャートリーディング制度を高めて効率的なトレードを目指して下さい。
関連記事:FXでRSIを使って勝率を上げるコツ!反発を狙いに行く方法は?
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