昔はチャート(ローソク足や折れ線グラフ)を手で書いたものです。

近年ではPCが普及してきましたし、リアルタイムでチャートを見ることができるのでチャートを手で、書くといったことを行う人は少ないのかもしれません。


しかし、コンピューターのモニターに表示されるチャートでは、PCの画面に縦軸を収めるため、値幅を自動調整されます。


そのため画面に表示させる縮尺の関係で実際は値幅が違っても、同じような値動きに見えてしまう(値幅が50円でも100円でも200円でもPCの画面上は同じ縦の幅になる)錯覚を起こす原因になります。

また、手書きのグラフを作成することで、値動きの変動感覚を養えるという何よりも得難い財産を身に着けることができます。


コンピューターが普及した現代だからこそ、古きに学ぶ必要性があります。

ここでは、チャートを手書きする方法をローソク足と折れ線グラフの特徴とともにお伝えしていきます。

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チャートを手書きするための道具

まずは、チャートを書くために必要な道具を見ていきましょう。

場帖(ばちょう)

場帖と書いて「ばちょう」と読みます。

ローソク足を書くのであれば、始値、安値、高値、終値が必要で、これらのデータを時系列に書いていくものが場帖です。


折れ線グラフであれば、終値だけでも大丈夫です。


昔は、日経新聞を購読して朝起きたら四本値を場帖に書いていく作業が相場師の日課でしたが、現在であれば、各証券会社やYahooファイナンスなどからも、過去の時系列を拾えますので、それをエクセルなどに張り付けて印刷しても良いでしょう。

方眼紙


当たり前ですが、チャートを手書きする方眼紙も必要です。

この際の注意点は大きい方眼紙を使わなければ、手書きチャートの意味がないということです。


小さな方眼紙を継ぎ足してグラフを書いていくのであれば、PCの画面を見ているのとそれほど変わらないので、方眼紙は必ず1,000mm×700mmの大きなサイズの物を用意しましょう。

ちなみに、コクヨ派の人が多いと思いますが、私はオーストリッチダイヤの方眼紙を使っています。

個人的には、オーストリッチダイヤのが紙の質やますめの色が気に入っています。


(オーストリッチダイヤの方眼紙ですが2019年現在はマス目の線が極端に薄くなっていて、書きずらくなってしました。

販売元である株式会社ディーソルの北海道所長に実物を確認させましたが、実際にマス目を薄くしたとのことです。

原因は、コピーを取った際にマス目が写り込むのが嫌だという要望が多かったとのことですが、おそらく原材料費を削減したいためだと思います。

なので、方眼紙に関しては2019年現在はコクヨで使用しています。)

三角定規とペン

実際に方眼用紙にチャートを書き込んでいく時には、三角定規の方が使い勝手が良いです。


また、線を書いていくときは鉛筆やシャープペンシルではなく、ボールペンではっきりとしたチャートを書くようにしましょう。

ローソク足の書き方は後で説明しますが、ローソク足の陰線に墨を入れる、2mm幅のペンも用意すると便利です。


関連記事:手書きチャートの方眼紙の大きさや陰線用のペンについて



ローソク足の書き方

では実際にローソク足を書く方法を紹介します。

まずは画像を見て下さい。


大きな方眼紙にこのように書いていきます。

縦に使うか?横に使うか?

まずは、方眼紙を縦に使うか横に使うかを決めます。

縦に使えば、上下に値幅の余白を持たせることができます。しかし、管理が大変だったり、すぐに横に継ぎ足さなくてはならないデメリットもあります。


横に書くと、逆に上下の幅が小さくなりますので、その辺りをどう考えるかは難しい部分ではあります。

いずれにしても、PCの画面で見るローソク足のイメージとは大きく変わります。

値幅の横線と月変わりの縦線

画像を見て頂けると分かりますが、ローソク足以外に、値幅の横線と月が替わる部分に縦線を入れています。

これは、鉛筆(シャープペンシル)で書きます。

このチャートは日経225先物のつなぎ足ですので、1,000円ごとに横線を入れています。


関連記事:林輝太郎先生との思い出!相場の本質をとらえた格言や名言が沢山!

ローソク足の幅は2mm

ローソク足の横幅は2mmです。

2mmの四角を書き、真ん中にヒゲが入るイメージです。

日足であれば一日に一つのローソクが完成します。


次の足を書く際に1mm開けて書くか、つなげて書くかは好みが分かれるのですが、私は1mm開けて書いています。




縦の目盛り

縦の目盛りに関しては、1,000未満の株であれば1円=1mmでOKです。

1,000円~9,999円の値段であれば、エクセルに時系列を作る際に1/10にするなどして上手く方眼紙に収まるように少し工夫が必要です。


画像のチャートは日経225ですので、1/100にして横に引く目盛りを1,000円にしました。(17,540円なら1754となります)


FXの場合は、130.254円といったような単位になりますが一年間に数十円も動くことはありませんので、横線の目盛りを1円単位にするように工夫して130.254を1/5にして26.05として書くなどの工夫も必要です。


陰線の書き方や綺麗に書く方法はこちらの記事でも書いています。
↓↓
>>陰線用のペンや墨の入れ方

折れ線グラフ

折れ線グラフについても書き方を見ていきます。

終値で1mm幅

折れ線グラフの場合も縦幅に関してはローソク足と同じです。

折れ線グラフとローソク足の違いは
  • 終値のみのチャートであること
  • 一日1mmであることです


終値で小さな点(星)を1mm置きに書いていき、それを線で繋げていけば折れ線グラフが出来上がります。


関連記事:相場の本質は立花義正さんの本に書いてある!

ローソク足と折れ線グラフの違い

ローソク足はヒゲや陽線陰線がありますので、上ヒゲ下ヒゲ、はらみ足やつつみ足などの形は見やすいのですが、どうしてもそちらにばかり目が行きがちで、うねり(相場のリズム)をとらえていくには不向きとされています。


また1日終わるごとに、2mm(次の足との間に1mm開けるのなら3mm)使いますのでチャートが横に間延びしたようにも見えます。

好みもあるのですが、私は折れ線グラフ派であると書いておきます。


関連記事:ローソク足とバーチャートの違い!どっちが使いやすい?

まとめ

今時、チャートを手書きする必要があるのか?

といった素朴な疑問も出てくるかと思いますが、私の場合は相場の世界に入った当初は手書きでチャートを書いていました。

うねり取り用に折れ線グラフ、低位株用に月足のローソク足といった感じです。

書くことによって、変動感覚が養われたのかは分からないのですが、相場に対して真摯に向き合ってきた証ですし、迷った場合はそのようなことが心の支えになります。


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