分散


「卵は一つのカゴに盛るな」という相場の格言があります。

一つのカゴの中に卵を入れて持っていた場合に、まちがって落としてしまうと、ほとんどの卵が割れてしまう可能性が高いです。

しかし、複数のカゴに分けて卵を入れておけば、一つのカゴを落としても落としたカゴの卵は割れても違うカゴの卵は大丈夫だとイメージできます。


これを投資の世界に置き換えると、特定の商品にだけ投資をするのではなく、複数の商品に投資を行うことでリスクを分散できるということになり、分散投資をすることで、比較的安全に資産運用をすべきだということになります。

ここでは、FXをメインにトレードを行う場合にどういった分散投資があるのかを考えて行きます。

違う通貨ペアの取引ではリスク分散にはならない

FXの通貨ペアの組み合わせを工夫することで、リスク分散になるという考え方は、個人的にはやや首をかしげたくなる考え方です。

FXは基本的には通貨のレートを売買する行為なので、投資というより投機(値段そのものを売買する)に近い感覚になると思います。


例えば、米ドル円、ユーロ円、豪ドル円といった感じで3つの通貨ペアを買うことでリスクが分散できていると考えるのは、ナンセンスです。


上の様な買い方になると結局は、円高の局面ではクロス円は全て下がることになりますので、リスクを分散させる目的の分散投資にはなっていないです。


もう少し、複雑にすれば金利が高い通貨ペア(南アフリカランド、トルコリラなど)であれば、スワップポイントが高いですし、新興国と先進国とでバランスがとれるので、分散投資になっていると考えてしまいがちですが、やはり円高の局面ではどの通貨ペアも下がるはずです。

また、スワップポイントが高くても、それ以上に下落幅が大きくなれば含み損を抱えることになるはずです。


であれば、ドル円を買うのに対してユーロ円を売るといった感じで買いと売りとのバランスを上手く取って行けば良いのでは?

という、考えもできますが、そういった組み合わせをしても結局はユーロドルを売買しているのと変わらないことになります。


もちろん、買いと売りとのウエイトを変えることでリスクヘッジにはなるのですが、ポジションの中身が段々と複雑になって行きます。

この考え方の場合はツナギという技法があり、個人的には、違う通貨ペアで行うのではなく同じ通貨ペアで行う方がやりやすいと考えています。
ツナギを習得するには練習が必要です。まずは両建てやツナギが何なのかを理解することから勉強をはじめてみると良いです。

ツナギに関しては、こちらの記事で詳しく解説をしています。

>>FXの両建てはツナギの練習に最適!必勝法になるのかを解説!

違う種類の投資方法でリスクを分散させる

上で説明した通り、取引する通貨ペアを分散させる方法では、リスクを分散させる効果が薄いことが分かると思います。

なので、私としては分散投資をするのであれば、資金を分散させて違う種類の投資方法を行っていくことが、分散投資になると考えています。

例えば、「裁量トレード」「サヤ取り」「ソーシャルレンディング」といった3つの投資方法を組み合わせることで、分散投資になるはずです。

裁量トレード

私の場合は、裁量トレードがメインになります。

裁量がメインの場合は、資金のうち50%~70%ほどは裁量トレードに当てて、残りの資金を違う投資方法に回すという考え方になると思います。

仮に、裁量トレードのウエイトを抑えたいのであれば、裁量トレードには資金の40%~30%ぐらいを投入して、メインは「サヤ取り」や「ソーシャルレンディング」に回して行くという考え方も良いと思います。

この辺りは、人それぞれ考え方や得意不得意があることなので、バランスをご指針でよく吟味して決めるようにすると良いです。

スワップポイントの違いを狙ったサヤ取り

スワップ投資は、高金利通貨でスワップポイントがもらえる買いだけの「片張り(かたばり)」を行う方法ですが、もらえるスワップポイント以上に、買った通貨ペアが値下がりをすると損になります。


例えば、一方的に下がり続けるトルコリラのスワップ投資で、多くの人が含み損を抱えたり、損切りを余儀なくされているはずです。(2018年12月現在の時点)

もちろん、相場のことなのでトルコリラが今後、上昇していけば含み損は解消されますし、我慢して抱えていた期間だけスワップポイントが貯まって行くのですが、今後上昇するかは不明ですし、これだけ下がったのだから、いつかは上場するだろう!といった考えは、希望的観測になってしまうので、危険です。


スワップポイントを利用して投資をするのであれば、FX会社のスワップポイントの差を取りに行く方法が良いと思います。


例えば、みんなのFXでトルコリラを10,000通貨買えば1日で126円のスワップポイントが貰えます(2018年12月時点)。

みんなのFX


それに対して、GMOクリック証券の「FXネオ」でトルコリラを10,000通貨売った場合は、1日に106円のスワップポイントが取られます(2018年12月時点)。

GMOクリック証券

つまり、トルコリラをみんなのFXで10,000通貨買って、GMOクリック証券で10,000通貨売れば、「126-106=20」のスワップポイントの差がでますので、毎日20円づつ稼ぐことができます。

別のFX会社ですが買いと売りを同時に建てているので、トルコリラのレートが上がっても下がっても、含み損と含み益を差し引きすれば、レートの上げ下げでの損益は0円です。

毎日のスワップポイントの差が実質的な利益になります。


一日20円と聞くと少ない金額に思えるかもしれませんが、ほぼノーリスクでスワップポイントを受け取ることができる方法です。

トルコリラ以外にも南アフリカランドなどもFX会社によってスワップポイントに差があるので、検討してみると面白いと思います。


どちらかの会社のポジションでは、含み損を抱えることになりますので、余裕資金などを調整する必要があります。

スワップポイントの差を狙いに行くサヤ取りについては、以下の記事でも詳しく解説をしています。
>>スワップポイントのサヤ取りは失敗しない?デメリットは?

ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングはFXとはジャンルが違う投資になります。(どちらかと言えば資産運用に近い考え方になると思います。)

投資なのでノーリスクと言うわけにはいかないのですが、銀行に定期預金をしたり、国債・社債を買っても利息はほとんどもらえません。

また、投資信託などを購入しても基準価格が下がってしまえば損になりますので、できれば値動きがなくて、4%~10%ぐらいの利回りを取りに行きたい方に向いている資産運用の方法だと思います。

もちろん、
  • ソーシャルレンディング何なのか?
  • どんな仕組みで利息を貰えるのか?
  • リスクは?
といった事を、しっかりと確認してから行う必要がありますが、世界規模で注目を集めている資産運用の方法です。
ソーシャルレンディングはFXよりはローリスクでありつつ、国際や社債よりも高利回りの案件が多いです。

上手く利用すれば、安定した利回りが期待できます。
>>ソーシャルレンディングとは?失敗しないコツは業者選び!

まとめ

分散投資といっても色々な考え方があり、ここで紹介した考え方は、あくまでも私個人の考えになります。


裁量トレードをメインに考えている場合でも、他の投資方法に少し資金を回すと気持ちにゆとりがでますし、裁量が苦手な場合は考え方を切り替えて、サヤ取りやソーシャルレンディングで年間5%~10%の利回りを目指して行くのも悪くないと思います。



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