実際のチャート

FXのトレードでは目線を固定してトレンドフォローをすることが大切ですし、トレンド転換を上手に見極めることも大切です。

トレンドが継続するのか、転換するのかを見極めるのは難しいのですが、それらの判断に「ダウ理論」が使われることが多く、多くのトレーダーがチャート分析にダウ理論を使っています。

ここでは、ダウ理論について基本的な使い方と実際のチャートでの使い方を確認していきます。

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ダウ理論について

ダウ理論は、チャールズ・ダウ氏が提唱したテクニカル分析です。

ただし、ダウ氏は自らの理論について何らかの著作を残していないので、ダウ理論の解釈は色々な人の解釈が入っていることが多いです。

ダウ氏が言うには
  1. 価格(平均株価)は全ての事象を織り込む
  2. トレンドには大中小の3種類がある
  3. 主要なトレンドは3つの段階から形成される
  4. 価格は相互に確認される必要がある
  5. トレンドは出来高でも確認される必要がある
  6. トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
FXの動画解説などを見ると「6」についてをダウ理論であると解釈している方も多いですが、それだけではダウ理論の全てを網羅しているとは言えないことを先にお伝えしておきます。

例えば「1」の平均株価は全ての事象を織り込むという部分の解釈は、NYダウ(日本なら日経平均)の動きは個別の銘柄の動きを織り込んでいるので、個別の銘柄もいずれはNYダウ(日本なら日経平均)に連動するであろうといったことを言っていると解釈できます。

「4」については、アメリカの工業平均と鉄道平均についての説明で、両方が同じシグナルを示していないと、トレンドが発生しているとは言えないといったことです。

また「5」の出来高についてもFXでは出来高が無いので利用することができません。

一応これらのことをふまえたうえで、ここでは「6」の「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」という部分の使い方を見ていきたいと思います。


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ダウ理論でのトレンドと転換について

ダウ理論に限ったことでは無いのですが、裁量トレードにおいて難しいのが、今のトレンドが継続するのか転換するのかを見極めることです。

残念ながらダウ理論も完璧ではありませんので、ダウ理論を使っても、先のことを予測することは不可能です。

でも、一定の方法をもってチャートリーディングをすることで売買に統一性がでますので、その点でダウ理論は大いに役にたつ分析方法です。

前置きが長くなりましたが、ダウ理論を使ったトレンドの見極め方を見ていきます。

上昇トレンド

上昇トレンド
ダウ理論での上昇トレンドは
  • 安値と安値が切り上がっている状態
  • 高値と高値が切り上がっている状態
のことを言います。

安値と安値、高値と高値がそれぞれ切り上がっている状態である必要があります。

下降トレンド

下降トレンド
ダウ理論での下降トレンドは
  • 安値と安値が切り下がっている状態
  • 高値と高値が切り下がっている状態
のことを言います。

安値と安値、高値と高値がそれぞれ切り下がっている状態である必要があります。

転換を判断できるポイント

上のパターンのように安値と安値、高値と高値が共に一方方向に動いている場合はトレンドが継続していると、判断できます。

しかし、いつまでも一方方向に動いては行きませんので、いつかはトレンドが消滅して反対側に転換します。
転換ポイント
上の図ではA→B→C→Dと高値安値を切り上げていたのにEの後のFでDで安値を下に抜けてしまった展開となりました。

この場合はEの後にDを下に抜くまでは、Cを上抜ける可能性がありますので、上昇トレンドが継続していると判断できますが、Dを下に抜けた時点でEの高値はCを上に抜けなかったので、上昇トレンドが一度消滅したと判断できます。

その後、F→Gと価格が動いていき、最終的にFの安値を下に抜けた段階で高値と安値がそれぞれ切り下がりますので、下降トレンドに転換したと判断できます。

Fを抜ける赤い矢印の部分は売りを仕掛け安いポイントです。

しかし、相場に絶対はありませんので損切りの注文はGかEの少し上に置いておくのがセオリーです。

下の図は、下降トレンドが上昇トレンドに転換する様子を描いています。(説明は上の図の逆ですので省略します)


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実際のチャートで確認

実際のチャート

実際のチャートでは教科書通りの動きをしないことも多いので、ダウ理論のポイントを見つけて行くのに戸惑うことも多いです。

ダウ理論を覚えても勝てない…ダウ理論が上手く使えないということも多いのですが、使いこなして自分の売買に応用できるようになるためには、それなりの期間が必要であることを理解しておく必要があります。

また、ダウ理論はシグナルが遅いという欠点もあります。

ただし、ダウ理論を使う目的はトレンドを予測するものではない、ことも心得ておけば十分に機能を果たしてくれると思います。


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まとめ

ダウ理論は完璧な理論ではありません。

それなりに、FXでダマシを見極めて回避する方法は?ダマシがありますし、シグナルが遅いという欠点もあります。

しかし、それはどんなインジケーターや手法にもあることで、100%勝てるものは存在しません。

大切なのは、一定の基準を持ってチャート分析を続けて行くということです。

ダウ理論で目線を固定することで、短期的な動きに惑わされることが少なくなりますので、チャート分析のヒントにしましょう。



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