埋もれる


マルチストラテジーという考え方があります。

ただ、この考え方は大規模ファンドが使う考え方だと思います。

ファンドとしては、複数の戦略(手法)を同時にこなしているのですが、複数のファンドマネージャーが別々の戦略で運用を担当する形態をとっているはずです。

ファンドマネージャー自体は自分の担当する戦略を淡々とこなしているはずなので、


この辺りの仕組みをよく理解していないと、一人の人間が複数の手法を使っていると勘違いしてしまい、自分でもマルチストラテジーをやりたくなるかもしれません。

ここでは、一人の人間が複数の手法を同時に使うことが出来るのかを考えて行きます。

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一人の人間が同時にできることの限界

人間であれば性格が違いますし、生活のリズム、それまで歩んできた人生のバックボーンなど、それぞれ違いがあると思います。

相場のやり方には、それらが反映されるはずなので、一人の人間がやることにはある程度の偏りが出るのかもしれません。

やり方もそうですし時間軸などにも得意不得意は出ると思います。


一つのやり方、一つの時間軸だけをやっていることに限界を感じ、同時に複数のやり方を行ったり、デイトレとスイングを同時に行おうと考えることもあるかもしれません。(私は一時期この考え方に捕らわれたことがありますが結果としては失敗しました。)


複数のことを同時にやっていても、結局は自分がメイン(得意)としていることに比重が多くなってしまうはずです。


そして、サブでやっていることがメインでやっていることの足を引っ張ることが多くなるのであれば、メインでやっていること一本に絞ってそれを極めて行くと考える方が話が早いかもしれません。


もちろん、それぞれを切り離して上手に回せる人もいると思いますし、それができる人はマルチストラテージもアリだと思いますが難易度が高いと思いますので上級者向けのテクニックであることは間違いないと思います。


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全ての値動きを取りたいという考えは欲張り

同時に複数の手法をやりたいと思う理由を一言で言えば、「取りこぼす値動きが嫌だ」といった感じになるのだと思います。

確かに、順張りと逆張りの手法を同時に回せば、どちらかが利益になるかもしれません。

しかし、裏を返せばどちらかは損になるはずですし、下手をしたら両方損切りになるかもししれません。

そうなると、損をしていくスピードが早くなってしまいメンタル的に焦りを生むことになります。


もちろん、両方が利益になるというパターンもあるとは思いますが、相場は上手く行かない時にどう立ち回れるかが重要です。

儲けのことばかり考えるのではなく、失敗した時にどうなるのかをよく考えてから行動しないととんでもないことになる可能性が高いです。


全ての値動きを取ろうと考えて、結果的に全ての値動きで損をしてしまっては本末転倒ですので、見送る値動きもあって自分と手が合わない時は相場と距離を置くという考え方に切り替えるべきだと思います。

情報過多にも注意

同時に複数の手法を使いこなす、という考え方に近い考えで色々な情報を手に入れたいという考えもあると思います。

例えば、株なら銘柄、FXなら注目のレートなどの情報を色々な所で見かけますが、私の経験上から言えば、それらをたくさん見ることの弊害は多いです。


何かしら参考にしたいと考える気持ちは分かりますが、人の相場観に頼って売買をするという考えは危険です。

基本的には先の値動きを正確に当てるということは、誰にもできませんので、レートやラインに注目をしても抜ける時は抜けますし、反転する時は反転します。

チャートが右端で動いている時に、自分で判断を下す時には自分一人で決断する必要があり、その際に人の相場観が頭の隅にあると決断を躊躇してしまうこともあるかもしれません。

一瞬の躊躇から地獄に入り込んでしまうということはよくあります。

便利な世の中なので、情報を取捨選択する能力というのも必要になってくると思います。


関連記事:FXは他人の相場観は無視すべき!強弱論は当てにならない!



複雑なことをする必要はないはず

相場で利益を出すために必要なことは、難しい計算ができることでは無いと思います。

実際に、ノーベル賞を受賞した学者がヘッジファンドを立ち上げたけど、膨大な損失をだして倒産したということも過去にはあります。

手法もそうですし、インジケーターやトレンドラインもそうですが、あまりにも多くのことを取り入れようと考えると複雑になり過ぎて逆効果です。


個人的には、江戸時代の米相場から原理原則は変わっていませんし、テクノロジーが発達していく未来でもさほど変わらないと思います。

結局はチャートを動かしているのは人間の欲と恐怖です。

その中で、自分がやれることを淡々とこなして微々たる利益を頂くというのが理想的で、もっと取りたい、まだ稼ぎたいと欲を出して複数の手法に手を出すと自分の出来ないことにまで手を出すことになり、頭が混乱してしまう可能性が高いと思います。


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まとめ

複数の手法を同時に回すというやり方はかなりハイレベルなやり方です。

下手をしたら虻蜂取らずになってしまう可能性が高いので、私としては始めは一つのことを何度も繰り返して練習することをおススメします。

それが、できるようになってから次のことを考えても遅くないと思いますし、一つのことができるようなれば、他のことに手を出す必要性を感じなくなると思います。



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