FXの勉強を進めて行くと、損切りが大切であると耳にタコができるほど聞いたり、目にすることが多いです。
しかしながら「損切り貧乏」という言葉も存在するように、結局は損切りばかりで全然儲からないじゃないか?
しかも、損切りしても最終的には仕掛け値に戻ることが多いので、損切りをする意味があまりないように感じることもあります。
そんな感情の中、ネット上を検索していくとナンピン系の手法に出会ってしまう可能性もあります。
はたしてナンピンは戦略的に行えば必勝法になり得るのでしょうか?
ここでは、単純に難を逃れるといったナンピンについて、もう少し掘り下げて見ていきたいと思います。
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良くてトントン
ナンピンをするということは、始めに仕掛けた状態から含み損になっていることは間違いないと思います。買った場合なら下がっていますし、売った場合なら上がっています。
バカにするなと思うかもしれませんが、この事がとても大切な事実です。
つまり、始めの仕掛けが上手く行った場合はそのまま利益を確定させますので、ナンピンを取り入れるということは、常に含み損がある状態だと言い換えることもできます。
戦略的ナンピンといえば聞こえは良いですが、結局は含み損を逃れようと、あがいているいる感じになってしまう可能性が高いです。
そして、ナンピンで難を逃れても損益がトントンで逃げるか、良くても少し利益が出るくらいで降りてしまうのではないでしょうか?
約定履歴を見てみると!?
もう少し具体的にお話をするために、ナンピンをした約定履歴を見てみるといった感じで例え話をします。例えば130円でドル/円を買い、5回ナンピンで買い下がったとします。(分かりやすくするために10円刻みで買い下がります。)
すると、
130円×1ロット
120円×1ロット
110円×1ロット
100円×1ロット
90円×1ロット
となります。
この状態だと、5ロットの買いポジションを110円の平均値で持っている状態ですので、90円かもう少し下の値段から110円まで戻って来たらヤレヤレといった感じでしょうか?
仮に、110円で全部売った場合は損益は0円です。
パッと見た感じでは上手く難を逃れたようにも見えますが、約定履歴では
-20円
-10円
+-0円
+10円
+20円
となるはずです。
数字で見ると、結局は上の二つの買いポジションについては損切りしているのと同じです。
であるなら、
-10円
-10円
+-0円
+10円
+20円
と10円で損切りをして、再び売買を繰り返すとトータルでは+10円残ることなります。
上げ足を取っているように見えるかもしれませんが、実際にどうでしょうか?
頑張って含み損に耐えてやっとトントンで逃げられた!!といった売買より心理的にも楽なはずです。
プロが行う分割売買とナンピンは似て非なるやり方です。
その辺りの違いについては以下の記事でまとめています。
↓ ↓ ↓
無限ナンピンと分割売買の違い!
機会損失について
ナンピン手法で含み損を抱えている時には、新規でのポジションを建てることができません。(資金にゆとりがあればできるのですが、実質的には今抱えているポジションにしがみつく状態かと思います。)例えば、買ってダメだったらさっさと損切りして、売りに目線を変えて新規で売りをすれば利益になりますし、ドル円以外の通貨で売買ポイントがある場合はそちらに乗り換えて行くことも可能です。
しかし、ナンピン操作をし始めてしまうと、そのような頭の切り替えもできなくなりますので、機会損失になってしまうのです。
さらに、
- そのまま含み損が拡大するリスク
- いつ戻ってくるか分からない不安
- 良くてトントン程度の利益
資金効率的にもあまり良い戦略であるとは思えません。
それなら、損切りを躊躇してしまうメンタル的な部分を色々と追及して、損切りを躊躇なくできるようにしていく方が、近道をしていると思います。
損切りを躊躇してしまう理由や改善方法については以下の記事を読んでみて下さい。
↓ ↓ ↓
FXで損切りができないメンタルを改善するコツ!
まとめ
ナンピンで難を逃れると成功しているかのように見えますが、実は効率が悪い売買をしている可能性があります。また、含み損に耐えられるロット数でスタートすれば大丈夫といった説明を見かけることがありますが、そのロット数(少ないロット数)では利益も少ないという問題も出てきます。
トレードでどれくらいの利益を残したいのかは、人それぞれ違うと思いますが、月に数万円位と考えているのであれば、ナンピンをするにしてもある程度は損切りをすることをしないと、含み損が大きくなりメンタル的に厳しくなります。
関連記事:FXでナンピンして失敗しないコツ!だんごの玉を作らないように!
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