電卓


FX投資や株式投資で大損をしてしまった!と言う話もよく耳にします。

大損する原因は色々とありますが、その中でもナンピンして大怪我をしてしまうパターンも有ります。


「下手なナンピン、スカンピン」と言う格言もあり、ナンピンはもろ刃の剣です。

プロが行う分割売買は、始めから計画された玉の動かし方をしていて、単に損失を逃れたいがためにナンピンをするのとは違います。


「ナンピン=絶対にダメな手法」とは言いませんが、ナンピンについて考えているのであれば、勉強と検証を重ねたうえで手を出すようにしましょう。

計画的に行わないと、一発退場(破産)もあり得るぐらいの方法です。

ここから、ナンピンに関してお話をしていきたいと思います。

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FXの1,000通貨なら大丈夫?

ナンピンは危険なのは良く分かっている。

しかし、それは資金に対してのロット数が多く無限にナンピンができないからダメなのであって、少ないロット数でナンピンをしていくのなら比較的安全で損切りもしなくても良いので、必勝法であるという話も見かけます。


自分の資金で行うことなので、個人がどうしようと、とやかく言う必要もないのですが、個人的にはちょっとどうなの?と思わざるおえないです。


まず、無限にナンピンをしていくという行為が本当に可能なのでしょうか?


人それぞれ、耐えられる含み損の額の大きさはあるかと思いますが、どこかに限界値があるはずで、無限にナンピンをしていくということは、その含み損の状態からさらに玉を張り込んでいくということです。


出来上がったチャートでは可能なのかもしれませんが、大きな含み損を抱えた状態で毎日過ごすことになりますし、そもそも、本当に値段が平均値まで戻ってくるかは神のみぞ知るといった、かなり運任せな売買と言えるのではないでしょうか?

たとえ1,000通貨から始めた売買でも、どんどん玉が膨れ上がって、最終的にはどうにもできないほど含み損を抱えるといったことも十分にあります。(何とかショックなどが数年に1度起こりますが、そのたびに大損することになります…)


関連記事:FXの勝つまでやめない戦略とは?マーチンゲールは危険な法則



ナンピン手法の最大の欠点!

ナンピン系の手法の欠点は他にもあります。

もちろん、損が無限に広がっていくこともそうですが、一回目の玉を仕込んだ段階で仕掛けた方向に動いた場合は、それで利益を確定することになります。


例えば、1単位買って上がった場合は1単位分の利益です。


それに対して1単位買った後に下がった場合は、ナンピンする。さらに下がったら含み損は2単位分になります。

そこから、さらに下がったら、またナンピンをして今度は3単位分の含み損に耐えながら値上がりを待つことになります。


ナンピン系の手法は、儲かるときは少ないロット数、含み損を抱えているときは大きなロット数という図式から抜け出すことはできません。


そして、含み損が自分の限界値を超えてくると、そこで損切りすることになりますので、いわゆる「コツコツドカン」になってしまうのです。


コツコツドカンについては、こちらでまとめています。
↓ ↓ ↓
FXから退場するとはどんな意味?9割以上の人が失敗する理由!



プロの分割売買とは?

ここまで、ナンピンが危険であるという説明をしましがたが、昔からある方法ですし、上手に玉を操作して利益を残している人もいます。


ここでは、無手勝流のナンピンと上手なナンピンを区別するために「分割売買」と表現していきます。

損切りはする

分割売買をすると言っても、損切りをしないわけではありません。

損切りの基準をどう設定するかは、人それぞれですが、上手な人はナンピンをしていっても撤退ポイントに到達した場合は、躊躇なく損切りができることが前提で分割売買をしています。

平均値が有利になる玉の建て方

ナンピンをするということは、自分の持っているポジションの平均の値段(この事を平均値と呼びます)を現在の値段に近づいていく行動です。


なので、平均値を自分に有利なようにできないナンピンでは効力が薄れます。

例えば

500円で1回目を買ったとします。(値段は説明上なので500円としておきます)

このときのポジションとしては、「500円×1」となり、この段階では平均値は500円です。


2回目の買いから上手い下手(上手い下手が正しい表現かは不明です)が出てきます。


例えば100円下がるごとにナンピン買いをして100円まで買い下がったとすると

500円×1(平均値 500円で1つ買いポジション)
400円×1(平均値 450円で2つ買いポジション)
300円×1(平均値 400円で3つ買いポジション)
200円×1(平均値 350円で4つ買いポジション)
100円×1(平均値 300円で5つ買いポジション)

となり、300円の平均値の買いを5つ(ロットとか枚)もっていることになります。


なので、500円で買いをスタートした場合は、100円まで下がった場合は、300円まで戻れば損益がチャラになるということです。


これを

500円×1(平均値 500円で1つ買いポジション)
300円×2(平均値 366.66円で3つ買いポジション)
150円×2(平均値 280円で5つ買いポジション)

とすると、平均値が有利になっているのが分かると思います。


最初の買いは1単位ですが、次からは2単位にすることで、ポジションが下に行くごとに厚くなっていきます。

この様に、分割売買でも玉の厚みを変えながら仕掛けていくやり方を不等分割と言います。


理論上は上手く行きそうですし、格好も良いのですが不等分割はとても難しく、かなりの練習量が必要であることを頭に入れておきましょう。


特に(1、2、3、5、5)や(1、2、3、5、10)などの玉の入れ方は平均値を有利にするという意味では上手いやり方なのですが、心理的プレッシャーは大きいです。


昔の株式売買では、売買手数料も高かったため、売買を頻繁に繰り返すと赤字になってしまったのですが、FXでは手数料は安くなっている(スプレッドが実質的な手数料)ので、FXでは損切りをこまめに入れながら、仕切り直していく売買が主流になっています。


関連記事:FXでナンピンして失敗しないコツ!だんごの玉を作らないように!

まとめ

不等分割などの方法については、この記事だけでは書ききることは難しいので、今回はこの辺りで切り上げておきます。

注意点としては、ほとんどの場合はナンピンで難を逃れることが可能かもしれませんが、一回大きく損を出すとそれまでの利益を吐き出すことになることです。


損を吐き出すぐらいならまだしも、その一回で壊滅的な損を出してしまい一発で相場の世界から退場させられる可能性もあります。


なので、ナンピンをやる場合でも最終的な撤退ポイントは決めておき、それに到達したら絶対に損切りする必要があります。

そうすれば、「コツコツドカン」を「コツコツドカ」ぐらいに止めることが可能になりますので、勝機も見えてくるかもしれません。


関連記事:FXで戦略的なナンピンは効果的!悪手を打たないコツ!



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