FXの仕掛け方については色々な考え方がありますが、移動平均線との乖離率を利用した逆張りの手法もあります。
相場が売られ過ぎた、買われ過ぎたオーバーシュートと呼ばれる場面で反発を狙いに行く手法になり、グランビルの法則でも売買のポイントとして存在しますので、移動平均線と価格が離れすぎた位置で仕掛ける手法は昔から存在します。
しかし「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」のポイントでの仕掛けには、それ相応のリスクもあります。
なので、これからご紹介する手法はあくまでも参考程度ですし、リスクに関してはしっかりと確認してから実践して下さい。
損切りを躊躇するなど、少しでも逃げ遅れると大損してしまうので、十分に注意をして下さい。
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乖離率
乖離率は移動平均線と価格が何%離れているかを計算したインジケーターです。
移動平均線より上に離れていれば「プラス乖離」下に離れていれば「マイナス乖離」となり、%の数字が大きければ大きいほど価格が大きく動いているといえます。
売られ過ぎや買われ過ぎの判断に使える指標です。
関連記事:FXはグランビルの法則で高勝率を狙う!移動平均線の基本的な使い方
乖離率を使って狙う値動き
移動平均線の数値をどうするかに決まりは無いのですが、ここでは25日移動平均線を使って日足で判断する方法を紹介します。どんな相場環境でも一本調子で上げ続けたり、下げ続けたりすることはなく、必ず「○○ショック」と呼ばれる暴落が発生したりして、それまでの相場の流れが突然崩れて短期的に大きく動くことがあります。
世の中的には「何十年に一度の大きな危機なので、回復は見込めない」といった感じになり、ニュース番組などでも、株価の暴落や為替の円高が大きく取り上げられます。
実際にチャートを見てみても、○○ショック的なことが起こった時には大きくチャートが動いています。
しかし、数ヶ月~1年もするとすっかりと忘れられている…といったことも多く、○○ショックの時につけた安値や高値はたいてい「行き過ぎた安値」「行き過ぎた高値」としてチャート上に残っています。
乖離率を使った手法はこのような「行き過ぎたところ」を狙いに行くのが目的になります。
「○○ショック」とは呼ばれなくても、小規模の乱高下も時々起こりますので、それなりに仕掛ける機会はある手法です。
関連記事:移動平均線を使ってダマシを回避する!FXで勝率を上げるコツ!
仕掛けと手仕舞いの条件について
これから、乖離率を使った仕掛け方と手仕舞いについて見ていきますが、買いと売りでは真逆のことを行います。ここでは、買いについて説明をしますが、売りについては反対のことだと考えて下さい。
仕掛けの条件
- 25日移動平均線との乖離率-8%~-10%前後まで急落する
- 株安や円高のニュースが連日大きく報道されている
「-8~-10%」という数字に関しては「-6~-7」でも「-11~-13」でも良いのですが、甘くし過ぎると買いが早くなり、その後の下落に耐えられなくなりますし、辛すぎると仕掛けのチャンスが少なすぎるので、難しい部分ではあります。
ここでは、あくまでも一例として「-8%」という数字を提示していますので、ご自身で過去検証を行って確かめて下さい。
仕掛けのコツ
私の場合はですが、乖離率を使て仕掛ける場合は逆張りの仕掛けになりますので、分割売買(1~3回に分けて買い下がる)をしてポジションの平均値を有利にしていき、反発をとりにいくことにしています。買い下がる玉(ぎょく)の入れ方としては不等分割で「1:3:5」といった感じのイメージで下の方の比率を大きくしていくことが理想的ですが、世の中ではこんな時にドル円やユーロ円を買うのはトンデモナイといった雰囲気になっていますし、実際にどもまで下がるかは分からないので、不等分割は心理的なプレッシャーはかなりかかります。
なので、慣れるまでは不等分割にこだわらずに、等分割の「1:1:1」で仕掛けても良いと思います。
大切なことは、一発で底を当てようと考えないでゆっくりと時間を掛けてポジョションを作って行くことと、2回目以降の買いを焦らないことです。
1回目を買い終えた後に上がりそうな兆しが見えると「このまま上昇したら予定通りの数量が建てられない!」と感じ1回目の買いと同じような値段で2回目を買ってしまうこともよくありますが、これは「団子の玉」と呼ばれ平均値が下がらない買い方なので焦って買うと失敗します。
また、3回目の仕掛けの後もすぐに上がってこなかったり、ダラダラと下がり続けることもあります。
なので、下げ止まらないこともある程度は想定しておく必要があり、資金稼働率を低くしたり、最悪の場合は損切りになることも頭に入れておくことは必要です。
>>不等分割について詳しくはこちら
手仕舞いの方法
手仕舞いの方法は簡単に思えるのですが実は一番難しいです。基本的には、突っ込んだ所で買っているので、相場の流れとしては下降中であることは忘れてはいけません。
少し戻った所は、絶好の戻り売りのポイントとなりますので、乖離率を使って買った場合はあまり欲張らずに程々のところで利食いをすることが大切です。
利食いそこなった後に下落したポジションは切る決断を躊躇させますし、逆張りのポジョションなので大きな含み損を抱えてしまうかもしれません。
例えば
- 日足の陽線2~4本くらいを目安に利食いをする
- 5日移動平均線にタッチしたら利食いをする
- pips数で利食い幅を決めておく
乖離率を使ったエントリー方法は、相場が激しく変動している時にエントリーをしていくことになりますので、慣れないうちは1,000通貨単位ぐらいでやってみた方がリスクが少ないと思います。
まとめ
グランビルの法則でも「買いの法則4」「売りの法則4」があり、移動平均線と価格が離れすぎたポイントでの仕掛けは昔から存在しています。ポイントを数字で判断できる乖離率を使えば、フライング的な仕掛けが無くなりますので、仕掛けた後に含み損を大きく抱えて夜も眠れないということが少なくなります。
置いていかれるかもしれないですが、自分で決めた乖離率の数値までしっかりと引き付けて仕掛けて行くことが大切です。
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