この記事では、一目均衡表について書いていきます。
はじめにお伝えしておくと、一目均衡表はかなり複雑な使い方をするインジケーターで、完璧に使いこなせているトレーダーは少ないです。
一目均衡表と聞くと「雲」をイメージするトレーダーも多いですし、雲をチャート分析に使っている人も多いです。
そのことが間違っているとは言いませんが、「雲」だけでは一目均衡表の全てを使いこなしているとは言えません。
一目均衡表の代表的な使い方を確認していきましょう。
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三役好転と三役逆転
一目均衡表の使い方として有名なものに「三役好転(さんえきこうてん)」と「三役逆転(さんえきぎゃくてん)」があります。- 三役好転は上昇トレンドのシグナル
- 三役逆転は下降トレンドのシグナル
三役好転の条件としては
- 為替レートが終値で雲の上限を上抜けた
- 遅行線(遅行スパン)が過去の為替レートと上抜けた(ローソク足が下になる)
- 転換線が基準線を上抜け、基準線が上向きか横ばいの状態である
三役逆転の条件は
- 為替レートが終値で雲の下限を下抜けた
- 遅行線(遅行スパン)が過去の為替レートと下抜けた(ローソク足が上になる)
- 転換線が基準線を下抜け、基準線が下向きか横ばいの状態である
遅行線(遅行スパン)について
遅行スパンはその日の終値から26日さかのぼった地点に(左側に)終値を書き込んだ折れ線グラフです。見方としては、遅行スパンが下方から26日前の終値を上に突破(ローソク足が下になる)すれば、上昇基調であると考えます。
遅行スパンが上方から26日前の終値を下に突破(ローソク足が上になる)すれば、下落基調であると考えます。
ただし、遅行スパンは当日の終値次第で変化しますので当日の終値が下落した場合は遅行スパンも下がりますし、当日の終値が上がれば遅行スパンも上がります。
上抜け寸前や下抜け寸前まで行きながら、失敗することもよくありそんな場合は、それまでのトレンドが続くとも考えれれています。
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雲は抵抗帯・支持帯として役に立つ?
上のチャートは一目均衡表の雲が抵抗帯、支持帯として上手く機能しているチャートです。
雲は、過去にその価格帯で大きな取引があったことを示していますので、「しこり」があると考えることができます。
なので、ローソク足が雲の領域に近づく、もしくは雲に入ると動きが重たくなるという現象が起こりやすいです。
逆に言えば、一度雲を抜けてしまうと「しこり」が消えますので、価格が大きく動きやすい状態と言えます。
雲を抵抗帯・支持帯として利用するのであれば、雲の角度や雲の厚さにも注目すると精度が上がります。
角度については移動平均線の使い方によく似ています。
雲が厚いということはそれだけ「しこり」が厚いと考えることができます。
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転換線と基準線のクロスに注目
一目均衡表の転換線と基準線を移動平均線の様に使うこともできます。転換線を短期の移動平均線、基準線を中長期の移動平均線の様に考えて、
- 転換線が基準線を上抜いた(ゴールデンクロスした)なら、横ばいもしくは上昇トレンドに入る
- 転換線が基準線を下抜いた(デッドクロスした)なら、横ばいもしくは下降トレンドに入る
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一目均衡表を使っても勝てない?
一目均衡表をチャート分析に使っても思うように勝てないことも多いです。雲については為替の解説などでもよく用いられるのですが、「雲」一つとってみても抵抗帯・支持帯として機能すると考えるのと、そろそろ雲を抜けて行くかもしれない、と考えるのではチャートの見方は変わります。
上がったチャートや下がったチャートを見て、
- ここは一目均衡表の雲で抑えられた
- 雲を抜けたので勢いがついた
一目均衡表に限ったことでは無くボリンジャーバンドの2σでも同じように逆張り派と順張り派で意見が異なりますので、インジケーターはあくまでも補助だと考える方が良いです。
また、一目均衡表には色々と注目すべきポイントがあり、雲だけを見ていっても一目均衡表を使いこなせている状態では無いです。
ただ、分析が複雑になればなるほど、仕掛けるポイントは少なくなります。
日足を使っているのであれば、ここだと思えるポイントが年に数回しかないかもしれません。
年に数回しかないのであれば、他の分析方法でトレードを進めた方が良いかもしれませんので、一目均衡表については色々と意見が割れることも事実です。
もちろん、雲を使って勝利が上がったり、利益が安定するのであればそれは、自分なりに上手く行く基準ですので、雲だけに特化して研究を続けて行くことは問題ないことだと思います。
まとめ
最近では、チャートのソフトが難しい計算をやってくれますので、一目均衡表を愛用するトレーダーも多いです。しかし、意外と奥が深く勉強すればするほど使いこなすのが難しいと実感するのが、一目均衡表の特徴とも言えます。
チャート上にインジケーターを表示させる目的は利益を出すための手助けにしたいからで、目移りをしたり迷ったりして、逆に足を引っ張るようなら表示させないというのも一つの方法です。
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