チャート


IRブレイクは「イニシャルレンジブレイク」の略語で、取引開始後に特定の時間帯の高値・安値を抜けた(ブレイクアウトした)方向にエントリーする仕掛け方です。

寄り付きが9:00からと決まっている株式や225先物などでは、よく使われているやり方で、例えば
  • 9:00~9:30の30分
  • 9:00~10:00の60分
と自分でイニシャルレンジの時間を設定しておいて、その時間の高値安値をブレイクアウトした方向に仕掛けて行きます。

ただし、FXの場合は24時間チャートが連動しているので、何時が寄り付きであるという定義が難しい部分も出てきます。

なのでFXでIRブレイクを使う場合は、IRブレイクの応用になると考えて使うとよいと思います。

ここでは、FXでIRブレイクを使うコツを紹介していきます。

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デイトレでエントリーしやすい時間帯は?

FXの場合は、株や225とは違い9:00~の「30分」や「60分」といった決め方ができないのでIRブレイクを使いたいなら、任意でイニシャルレンジの定義を設定する必要があります。

24時間連続しているチャートなので、定義は悩ましい点だと思います。


為替は、24時間連続して取引が行われているのですが、各国の市場のオープン時間の関係から、大きく3つ~4つの時間に分けられて考えられることが多いです。
  • 6:00~8:00ぐらいをオセアニア時間
  • 8:00~15:00ぐらいを東京時間
  • 15:00~21:00ぐらいを欧州時間
  • 21:00~6:00ぐらいをニューヨーク時間
と定義されていることが多いです。

オセアニア時間と東京時間を合わせてアジア時間と考えるトレーダーも多く、その場合は24時間を「アジア時間」「欧州時間」「ニューヨーク時間」の3つに分けて考えることになります。

(この辺りは、FX会社などの公式サイトでも定義している時間帯に微妙にバラつきがあります。)


関連記事:FXは資金管理だけを徹底すれば勝てる?2%ルールを使うコツ!

米国のサマータイムについて

また、時間帯に注目をするのであれば、米国のサマータイム制度についても一応は注意しておきましょう。

米国のサマータイムは、夏場に標準時を1時間早める制度で米国だけではなく欧州諸国などでも多く導入されている制度で、サマータイム時は欧州市場やニューヨーク市場のオープン時間も1時間早まります。

サマータイムは「3月の第2日曜日の午前2時」から始まり「11月第1日曜日の午前2時」に終わります。

FXの取引を行う際は、サマータイム時は欧州勢や欧米勢の動き出しが1時間早くなること、サマータイムが終了したら、動き出すのが1時間遅くなるという事を念頭に入れておくと攻めやすいです。

欧州時間にエントリーしたい!

ここまで、FXの時間帯について説明しましたが、デイトレードでエントリーをするならどの時間帯がベストか?を考えてみます。

まず、アジア時間は欧州、米国からみると完全に裏(夜中)の時間帯になりますので、動きが少なかったり商いが薄いことが多いです。


最も、動きが活発になるのはやはりニューヨーク時間なのですが、ニューヨーク時間は日本人からすると夜~明け方になりますので、その時間にチャートに張りついていると、実生活に支障が出てくるという問題も出てきます。

なので、15:00~から開始される欧州時間にエントリーポイントを持ってくるのが私としては理想的な展開だと思います。


もちろん、為替の動き次第では少し遅い時間(夜の00:00ぐらい)まで監視の必要が出てくることもありますが、デイトレードであれば、基本的には21:00ぐらいまでにエントリーが終わっているのがベストだと思います。

なのでFXのデイトレでIRブレイクを使うのであれば、欧州時間にエントリーポイントをを持ってくるためにイニシャルレンジの時間帯はアジア時間のレンジに設定するのがベストだと思います。


関連記事:FXに自分の事情や都合を当てはめても上手くいかない!



アジア時間のレンジを使ったエントリー

アジア時間の定義は色々あると思いますが、日本の株式市場が9:00~15:00なのでここでは9:00~15:00をイニシャルレンジのレンジ幅と決めることにします。

エントリー方法

エントリー方法は基本的にはとてもシンプルです。

9:00~15:00の高値と安値に水平線を引いておいてこれをイニシャルレンジとします。

そして、イニシャルレンジを15:00以降に上に抜けたら買い、下に抜けたら売りを行うだけです。

使う時間足は「15分足・30分足・60分足」ぐらいが良いと思います。

IRブレイク

IRブレイク

売りのエントリー

注意点としては、分足が決定する前にブレイクアウトしたと思ってフライング気味にエントリーしないことです。

フライング気味にエントリーしても、一時的な動きで、ローソク足ができあがったら結局は上ヒゲ下ヒゲだったということはあります。

なので、ローソク足の終値でイニシャルレンジをブレイクアウトした事を確認してからエントリーするべきだと思います。

また、ブレイクアウトでのエントリーは勝率を高く維持できないことも多いので、仕掛けた後に逆行した場合は躊躇なく損切りをして、次のトレードチャンスを冷静に待つようにすべきです。

損切り


関連記事:FXの勝つまでやめない戦略とは?マーチンゲールは危険な法則

エグジッド方法

エグジッドのパターンは
  1. エントリー後に順調に動いて利益確定になる
  2. 残念ながら、逆にうごいて損切りになる
  3. 含み益を抱えた時に損切りラインを建値に動かして、利益orトントンに持ち込む
があると思います。

含み益を抱えた際に建値に損切りラインを動かすべきかは、一長一短がありますので「3」に関しては、ルールるに入れないという考えでもOKだと思います。

建値決済に関しては以下の記事でもまとめていますので、参考にして下さい。
↓ ↓ ↓
FXの建値決済は有効?利が乗ったらストップオーダーを動かす?


利益確定に関しては、まずは損切り幅を先に決めてそれの1.5倍~2倍の利食い幅で利益を確定させるようにOCOでオーダーを出しておく方法が、一番簡単な方法です。

例えば
  • 損切り幅が-10pipsなら利食い幅は+20pips
  • 損切り幅が-15pipsなら利食い幅は+30pips
といった感じで機械的に注文を出しておく方法でも良いですし、エントリーポイントから一番近い高値や安値の少し外に損切りを設定するのも一つの考え方です。


高値安値の少し外に損切りラインを設定した際は、利食い幅もその都度変更していくことになりますので、pipsとロット数の兼ね合いを色々と考える必要が出てくるかもしれません。


関連記事:FXの利食い幅の決め方の目安!仕掛ける前に値幅余地を確認!



制度を上げるために必要なこと

ここでは、デイトレードでIRブレイクを使うエントリー方法を紹介しましたが、その日に買うのか?売るのか?を事前に決めておいて、そちらの方向のみのブレイクアウトを狙うと精度が上がります。

なので、デイトレードを行う際は上位足(日足や週足)で相場の環境をしっかりと認識しておくべきです。

日足を使た環境認識のやり方については以下の記事でまとめていますので、一度目を通して下さい。
↓ ↓ ↓
デイトレードは日足の流れをよく見るべき!勝率UPのコツ!


また、IRブレイクの勝率はそれほど高くは無いはずなので、勝率にこだわるのではなく損小利大にこだわるべきです。


例えば、アジア時間に大きな動きが出てしまった場合はその後の動きは小さい可能性が高いので、その日のトレードは見送るとか、一日のトレード回数に制限をかけてメンタルの崩壊を防ぐなどといった工夫も必要です。

肝心なことは、毎日同じ物差しでチャート分析をして、ある程度の期間は同じやり方でやってみることだと思います。

その結果として、利益になったトレードと損になったトレードの差し引きがどうなっているのかを確認すべきです。


関連記事:FXは一日の取引回数を制限すると儲かる?

関連記事:FXの手法【デイトレード編】斜めのトレンドラインで稼ぐコツ!

まとめ

IRブレイクの応用としてアジア時間のレンジをブレイクでエントリーする方法を紹介しました。

上にも書きましたが、100%の勝率で勝てる手法は存在しません。

また、各々性格や生活スタイルが違いますので、この手法が手に合うのか?合わないのか?は一概に言い切ることはできません。

必ず、ご自身で検証を行って自分なりにアレンジを加えて、少ない金額から実践するようにして下さい。



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