FXで儲けたいと考えた時に、勝率を上げることが大切だと考えがちですが、損益の値幅の違いが出てきますので、勝率が高くても効率よく儲けらるとは限りません。
昔から、相場では損するときにいかに小さい金額で抑えて、利益になる時は利益をいかに大きくするかが大切だと言われていて、そのことを「損小利大」と言います。
しかし、「損小利大」を実行しようとすると、損切りばかりになってしまい、いわゆる「損切り貧乏」といった状態になってしまうこともあります。
ここでは、「損小利大」で儲かるなんて嘘だ!結局は損切り貧乏になってしまう!と思えてきたときに確認したいことを書いていきます。
スポンサーリンク
上手な人は損の額が小さい
相場で儲からない人の共通点は幾つかありますが、一番最初に注目すべきポイントは損になる時の額が大きいということです。逆に言えば、上手な人は損になる時の金額が小さく、含み損のポジションに執着はしないです。
もちろん、お金を儲けたいと思ってトレードを行っているので、損は気分が良いことでは無いですが、トレードで安定して儲け続けたいと考えるなら、思惑と違った動きをした場合に行う、損切りを躊躇なくできる必要があります。
大きく損をすると取り返すのが大変
例えば、100万円の資金のうち50万円の損を出してしまったら資金の50%を損したことになります。残った50万円を元の100万円に戻そうと考えた場合は、+50%の利益では75万円にしかならないので、元の100万円に戻すには+100%の利益が必要になります。
最初に-50%の損を出してしまうと、分母となる資金が減りますので、取り返すのには多くの利益率が必要になりますので、いかに大きく資金を減らさないようにする(資金を守る)かということは、絶対に考えておかないといけないことです。
どうやったら儲かるのか?ということを考えるのも大切ですが、どうやったら資金を減らさずにトレードを続けて行けるのか?についても考えるようにしましょう。
損切り貧乏になると思えてきたら
損を小さくすることが大切なのは理解できるが、実践で損切り幅を小さくしていくと損切りばかりになってしまうこともあります。「損切り貧乏」などと言われて、段々と損切りなんて意味が無いのでは?と考えるようになりがちです。
しかし、損切りをしないという方針でトレードを行うことは、保険を掛けないで自動車の運転をしたり、命綱なしで高いビルに上るのと同じで、何かの拍子に相場が大きく動くと一発で大損を食らってしまう、とてもリスキーな考え方です。
損切りは、苦痛な行為ですがトレードを行う以上は損切りは避けては通れないことです。
損切りについては、以下の記事でも詳しく書いていますし、とても大切なことなので一つ一つじっくりと目を通して下さい。
- F大きな損失を防ぐ資金管理!勝率よりも期待値を意識する!
- 早すぎる損切りについて!チャート分析でポイントを決める!
- 利小損大を繰り返してしまう人の特徴!
- 損切りするのが無意味だと感じたら確認したいこと!
- 損切りしない手法はいずれ大損する!
利益を大きくする時の注意点
「損小」については、色々と見てきましたので、今度は「利大」についても見ていきます。利大については、損小よりも難しいというのが個人的な感想です。
昔から相場で一番難しいのは、利食いであるとされていて、利大にしたいと考えて利食いの幅を大きく設定したがために利益を取り逃してしまった…!ということはよくある話です。
せっかく含み益になっていたのに微益で終わったり、損切りになった場合は、通常の損切りよりも後悔の気持ちが大きくなり、その後のトレードで取り返したいという思いが無意識に働き、強引に仕掛けを行ってしまうこともあります。
損切りになる時にはしっかりと損になっているのに、利益の時は取り逃していくという悪循環にハマりだすと、全然儲からない「損切り貧乏」の状態になりやすいです。
この状態は、チャートリーディングの能力や確率論の話とは関係なく、自分の心の中で起こっているメンタルの問題であることがほとんどです。
相場で利益を安定させるのが難しい原因の一つに「欲」と「恐怖」を上手くコントロールできないということもありますので、利大を極端に意識しすぎると利益を取り逃してしまうこともあると覚えておきましょう。
関連記事:FXは利益確定のタイミングが難しい!欲や迷いを減らすコツ!
関連記事:FXで利益計算はとらぬ狸の皮算用!結果は後からついてくる!
勝率と損益の幅について
極端なことをいえば勝率が10%ぐらいでも一回の損が1pipsで利益になる時が10pips以上であれば、トータルでは利益が残ります。しかし、10回中9回が負けトレードでは、メンタル的に続けて行くことが難しいという問題も発生します。
これは、検証の結果で続けて行けば勝率が低くても勝てると分かっていても、実際にお金を掛けてトレードを行うと厳しい…と感じることも多いので、損小利大になってさえいれば、勝率なんてどうでも良いという考えはちょっと乱暴な考え方で、それでトレードを続けて行くのは難しいと思います。
人それぞれ耐えられるメンタルなどが違いますし、トレード手法によっても違いが出るのですが、私の場合は、勝率が50%ぐらいで利益が残る、損切り幅・利食い幅がちょうど良い落としどころだと思っています。
損小利大の考え方で損切りばかりで儲からない…と思えてきたら勝率50%ぐらいでも、トータルで儲かるようにするにはどうしたら良いかを考えてみると見えてくることがあると思います。
まとめ
「損小利大」という考え方は昔からある考え方ですが、勝率が低すぎてもメンタル的に耐えられないという問題が出てきます。メンタルを強化して耐えるのが儲けるコツであるという考え方もできますが、金額が小さいうちは耐えることができても、額が大きくなって行くと厳しいのでは最終的にはどこかで心が折れる可能性もあります。
まずは、損小の方をマスターして、少しずつ利大に持っていけるようにトライアンドエラーを繰り返すのが一番の近道だと思います。
スポンサーリンク