ダブルボトムは相場が下降相場から上昇相場に転換する際に出現しやすいチャートパターンで、逆にダブルトップは相場が上昇相場から下降相場に転換する際に出現しやすいチャートパターンとされています。
トレードに関する本や動画などでも最初に紹介されるチャートパターンなので、多くのトレーダーが注目するチャートパターンの一つです。
しかし、単純にダブルボトム・ダブルトップを見つけたからエントリーするといった感じで、丸暗記で相場を行っても安定して稼ぐことは難しいです。
ダブルボトム・ダブルトップができるのには理由があります。
チャートパターンができる理由や意味をしっかりと理解することで、大衆心理を読み解くことができるようになりトレード戦略に役に立てることができます。
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目次
3種類のダブルボトムとダブルボトムがある
ダブルボトムもダブルトップも理屈は同じで、買いと売りが反対になったと考えて下さい。
ここでは、ダブルボトムについてで説明をしていきます。(ダブルトップは真逆のことになります。)
形としては上の図の真ん中がダブルボトムの基本となります。
ただ、真ん中のパターンの様に安値「D」「F」が同じ値位置になっているケースばかりではなく、左のパターンの様に安値「A」「C」が切り上がっていたり、右のパターンの様に安値「G」「I」が切り下がっていることもあります。
安値切り上がりのダブルボトム
左のパターンはAまで下がったが、一度Bまで上がり再びCまで下がりはしたが、Aよりは高い位置で下げ止まったので買い方の圧力が多いことが想像できます。
同じ安値のダブルボトム
真ん中のパターンはDまで下がり、一度Eまで上昇してFまだ下がりましたが、F(Dと同じ値段)までで下げ止まり、Dより下には下がりませんでした。
なので、D・Fのポイントではかなりの買いが入っていることが想像できます。
安値切り下がりのダブルボトム
右のパターンは、同じくG→Hと上昇した後に、Iまで下がりました。
これは二つのパターンとは違いGの値段を下に抜けていますので、一見するとGのポイントで買い方が売り方に負けたようにも見えます。
しかし、Iから再び上昇をしてHを上に抜きました、Hから売りを仕掛けている場合は、Hの少し上に損切のオーダーを入れていることも多いです。
なので、右肩下がりのダブルボトムは、H(ネックライン)が上に抜けたことで、売り方の損切りの買い注文と、Hを上に抜けたことで上がるだろうと考える新規の買いの注文が重なるパターンです。
ダブルトップについては、買いと売りが逆の見方になりますが、ダブルボトムと同じように買い方と売り方のバランスを見ていくとトレーダーの心理が理解できると思います。
関連記事:FXの買いと売りはどっちが難しい?心理的ちょっとした違い!
ネックラインに注目!
ここまで、ダブルボトム・ダブルトップにはそれぞれ- 安値(高値)切り上がり
- 安値(高値)同じ値段
- 安値(高値)切り下がり
ただ、どのパターンにも共通して言えるのは「B」「E」「H」の値段をボトムの場合は上に抜く、トップの場合は下に抜くまでは、ダブルボトム・ダブルトップは成立していないということです。
そして、「B」「E」「H」のような起点の事をネックラインと言います。
通常ダブルボトム・ダブルトップを使ってエントリー(仕掛け)をする場合はネックラインをブレイクアウトしたことを確認してから仕掛けるのが一般的です。
逆に、まだネックラインをブレイクアウトしていないうちは、チャートパターンが出来上がっていない状態ですので、ダブルボトムやダブルトップになるであろうと考えてややフライング気味に仕掛けることになりますので、早く仕掛けることができますがダマシも多くなりますので、中級者以上の仕掛け方になると思います。
基本的にはネックラインに注目をして、ネックラインをブレイクアウトした後から仕掛けて行くことでダブルボトム・ダブルトップで仕掛けることができたと考えると良いと思います。
関連記事:FXでブレイクアウトする前に仕掛ける方法!飛び乗りが苦手な場合
実際のチャートではダマシが多くて勝てない?
では、実際のチャートでダブルボトムやダブルトップを探すイメージでラインを引いてみます。一枚目のチャートはダブルトップに見える部分にラインを引いて見ました。
二枚目のチャートはダブルボトムに見える部分にラインを引いています。
三枚目のチャートは細かく見るとダブルトップ、ダブルボトム両方が発見できます。
これらのチャートを見て分かるように、綺麗に決まるパターンは意外と少ないことが多いです。
これは、ダブルボトム・ダブルトップに限ったことでは無いのですが、チャート分析には必ずダマシになるパターンがあるという事を念頭に置いておく必要があります。
そうしないと、失敗した時に損切りができなくなりますし、この方法がダメなら違う方法…といった感じでいつまでも分析方法を探している状態になってしまいます。
結局はどの分析方法を選んでも先のことを100%当てることはできませんので、いつまでたっても堂々巡りを繰り返してしまうことになります。
関連記事:FXでダマシを見極めて回避する方法は?
当たるか外れるかは重要では無い
大切なことは、先のことを当てることでは無く、一定の物差しを使ってチャートを分析していくことで、その中の一つの考え方にチャートパターンがあり、チャートパターンの中の一つにダブルボトム・ダブルトップがあると思ってください。ダブルボトム・ダブルトップを使ってエントリーをしても仕掛けた方向とは逆に動くこともあり、そんな場合は損の額が少ないうちに、すぐに損切りをして、次のトレードチャンスを待ちましょう。
そして、上手く乗れた時に損切りした時より多い値幅を取ることができれば、差し引きで儲けることができます。
このような考え方を損小利大と言い、損小利大を繰り返して行けば勝率は50%より低くても利益を残すことができます。
関連記事:FXの勝率が50%でも損する人と儲かる人の違い!勝ち続ける考え方!
一定の物差しを使わないでチャート分析をして利益になっていても、勝てなくなってきたときになぜ勝てなくなってきたのかの原因を特定することができません。
ダブルボトム・ダブルトップを探しながらチャートを見ていくと決めたなら、ダマシが多くても一定期間は同じ分析方法を続けるべきです。
そのうえで、ダマシになる前後の動きなどを細かく反省していくと、自分にとって明らかに分が悪いダマシのパターンが分かってきますので、その時のエントリーを見送ったりしていくことで、少しずつ無駄打ちを減らして行くことができると思います。
まとめ
ここでは、ダブルボトム・ダブルトップについて確認してみました。ダマシになってしまうことが多いと、ダブルボトム・ダブルトップでは勝てない…と思ってしまうことも多いですが、チャートパターンに100%の勝率を求めるのではなく、チャートパターンが出来上がるまでの仕組みを理解するようにして、チャート分析に活かすようにしましょう。
ダブルボトム・ダブルトップ以外のチャートパターンについては以下の記事でまとめています。
↓ ↓ ↓
FXのチャートパターンは大衆心理の集約!鉄板(基本)を紹介!
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