FXの情報商材でよく「勝率80%以上の売買法」とか「売買シグナル配信」といったものが売られています。
トレードについて、勉強をある程度した人なら勝ち負けの確率と利益率が比例しないことは、分かることなのですが、まだ知識が少ない頃はこの手の広告につられてしまうことがあります。
ここでは、勝ち負けの確率と利益率(儲かるということ)は違うことを確認して行きます。
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勝ち負けを争うものではない
仮に、FXは勝率を上げると儲かる?5割以下のプロも多いって本当?勝率が高い手法や、売買シグナルの配信が高確率で当たり、その的中率と利益率が比例するのであれば誰でも大儲けできるのですが、実際にはそうはいかないものです。例えば、野球は勝ち負けを争うゲームです。
なので、10対1でも5対4でも勝ちは勝ち、負けは負けです。
それに対してトレードは点数そのものを争うゲームなので、10対1は5対4の9倍の利益となります。
自分で売買手法や売買ルールを作成する時も、勝率が高いやり方を作成しようと考えがちですが、その努力はかなり難しいことをやろうとしていると考えた方が良いです。
しかし、夢中になって作成している本人にはわからいのがトレードを難しいものとさせる要素の一つです。
例えば、10円幅で7回利益になっても25円幅で3回損になると、
- 10円×7回=70円
- 25円×3回=75円
- 70円-75円=-5円
勝率は高くても差し引き(トータル)で損になってしまうのであれば意味が無いですし、勝率が高めの手法でも勝てない場合は、損になる時が大きいことが一番の原因です。
もう少し複雑に考える人だと、インジケーターを色々と組み合わせて行くと思いますが、例えば50種類のインジケーターを組み込ませているソフトを手に入れて、そのうちのいくつかを組み合わせて勝率を上げようとしても、良い結果が出ることは無いです。
60%の勝率が維持できそうなインジケーターを2組み合わせると勝率は上がるように思えますが、勝率が逆に0.6×0.6=0.36という数式に近くななり下がる可能性すらあります。
なので、インジケーターをあれこれと組み合わせ勝率を高く保たせるという考え方や努力は実を結ばないのが現実です。
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個人の力量が必要
例えば移動平均線やRSIといったインジケーターを使い、インジケーターのシグナルに従ってそのタイミングで売買を続けたら儲かるのか?と言う話ですが、ただそれだけでは儲からないと思いますし、仮にそれで儲かるのなら皆が同じことをやりますので、市場は崩壊してしまうというのが私に考えになります。
完全にインジケーターに従うのであれば、買い(売り)の指示が出たので買った(売った)ら反対の指示が出るまで持っていないと成立しません。
このやり方では、外れたときに大きく損になってしまいます。(過去のチャートで検証をしてみるとすぐに分かるかと思います。)
であるなら、外れた時に大きな損にならないうちに、早めに損切りをすれば損を少なくできるので、当たり外れが出ても差し引きで利益になるのでは?という事になります。
しかし、外れたという判断をどうやって行うのかが問題になってきます。
結局のところは、インジケーターを使うにしてもある程度個人的な判断が入りますので、同じようなチャートを使っていても損をする人と利益になる人が出てきます。
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メンタル的な要素もある
外れた時に何かしらの判断で損切りをして、損を小さくできるようになったとしても、連敗が続いたりしてイライラしていたり、損をしたくないという欲のようなものが先行すると、頭では分かっていても損切りができないケースもあります。こうなってくると、確率や利益率といった話では無く自分の心の中で起こっている感情をどう抑えてトレードを行っていくか?という問題になってきます。
そして、トレードではこれが一番難しい問題で、お金を掛けている以上「もっと儲けたい、損をしたくない」とう感情が沸き起こってくるのが当然のことです。
なので、過去のデータ上でいくら勝率が高いとか、ほとんど負けないからと言っても、リアルトレードで、そのままの結果を出すことができると考えて勝負に出ると悲惨なことになります。
自分で売買ルールを作ったものなら、修正などを加えて行くことも可能かもしれませんが、他人が作った手法やシグナル配信で損ばかりが続けば信用して続けて行くことは不可能です。
まとめ
トレードの勝ち負けの確率と利益率は比例しないです。また、勝ちの回数を多くするいわゆる高勝率の手法を追い求めることも効率が悪いです。
トレードには勝利の聖杯的なものは存在しないので、ある程度勉強して知識がついたのであれば、少ない金額で売買の練習を開始して、自分で試行錯誤を繰り返して行くことが一番の方法です。
どうしても、人の意見ややり方が気になるのですが、基本的には自分とチャートの間に余計な情報(雑音)を入れない方が一つのことを極めて行く近道になります。
まずは、1,000通貨以下で売買ができる口座で練習トレードを開始することをおススメします。
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