買っていたものを一度手仕舞いして、もう一度買うことを「買い直し」、売っていたものを一度手仕舞いして、もう一度売り直すことを「売り直し」といいます。
はじめから計画通りの行動なら問題ないですが、手仕舞いの判断が早かったと後悔してもう一度仕掛け直すとあまり良い結果にならないことが多いです。
「二度の思惑すべからず」という言葉もありますが、再度仕掛けたいと思う動きになることもよくありますので、ここでは手仕舞い直後に仕掛け直すことについて見て行きます。
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手仕舞い直後の仕掛け直し
損切り直後に仕掛け直しをしてもう一度損になってしまうと、2連敗になります。更にもう一度とムキになってまた損になると3連敗になってしまいます。
その後もさらに!といった感じで仕掛けて行く状態は冷静な状態とは言えません。
また、微益で撤退した後に後悔しして同じ方向に仕掛け直したり、その場の雰囲気に流されて反対の方向に仕掛けるケースも出てきます。
どのパターンで事前に計画されていた仕掛け直しは、ちょっと感情的になっている可能性が高いです。
なので、手仕舞い直後の買い直し・売り直しは慎重に行う必要があります。
目線が同じ方向に仕掛け直す
例えば、自分が仕掛ける時間足(分足)の上の足で目線を決めている場合でも、損切りに掛かることもあります。この場合は、一時的なアヤに引っかかったのか、トレンドが転換する初動に引っかかったのかが問題になってきます。
アヤ(ノイズ)に引っかかったのかトレンド転換の入り口なのかは、ある程度時間が経過しないと判断できないことが多いです。
ムキになって同じ方向に何度も仕掛けていたら、転換の入り口に引っかかっていたということもありますし、その場合は「天井付近で買っていた、底付近で売っていた」ということにもなりかねません。
トレンドの判断に使われるダウ理論という方法は、意外とパターンになることが多いので注意が必要です。
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ドテン
買い方向から売り方向(売り方向から買い方向)にポジションをひっくり返すことを、ドテンするといいます。分割売買をしているのであれば、少しずつ新規に反対側のポジションを仕掛けて行きながらポジションを売り買い同数にして、ひっくり返して行く方法もあります。
このようにツナギの玉を入れながら、計画的にドテンを行う方法は往復の動きを取る戦略として有効です。
しかし、損切り直後に見込みが違ったと考えてドテンをするのは、少々強引であり失敗することが多いです。
何度か上手く行くこともありますが、変な成功経験をすると、たまたま上手く行かなかったとしても「どうにかなる」という乱暴な考え方につながり、どこかで大きな失敗をすることになりますので、手仕舞い直後のドテン売買には慎重になるべきだと思います。
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後悔した気分をどう処理するか?
利益か損かは関係なく、手仕舞い直後に買い直し・売り直しをしてしまうのは- 損を取り返したい
- 利益を取り逃した
- もっと取りたい
どちらかと言えば、さっきまでやっていた売買に対して後悔している気持ちからすぐに新規のポジションを作りたくなるのですが、思惑通りにならないことは多いです。
最終的に満足ができる売買というのは希なケースなので、後悔するたびに新規のポジションを作っていたのでは、常にポジションを作り続けてしまうことになります。
常にポジションを持っていないと満足できなかったり、不安になってしまう状態を「ポジポジ病」などと表現されることも多く、あまりよろしい状態とは言えません。
手仕舞い後に後悔した気分になることが多いのがトレードですし、トレードは失策が続くゲームです。
どうしても、手仕舞い直後の動きが気になる場合は、仕掛けた後はOCO注文に任せてチャートから離れてみるものも方法ですし、1日のトレード回数の上限を厳しく制限するなどの工夫が必要です。
FXの市場は明日も明後日も1年後も開いていますので、手仕舞いが早かったと感じても強引に仕掛け直さなくてもチャンスはあります。
また、天井の翌日は底では無いですし、底の翌日に天井になることも無いです。
なので、トレード終了後に常に目線が定まっていない状態(迷っている)状態であれば目線を固定させる方法について勉強し直す必要があります。
目の前の動きにバタバタと振り回されていると、買ったり売ったりを繰り返して結局は後から自分で振り返った時にもよく分からないトレードをしていることになりますので、気を付けましょう。
まとめ
「二度の思惑すべからず」は昔の相場師にだけ当てはまる言葉ではありません。短い言葉ですが、深い言葉で、デイトレードなどが手軽に行えるようになった今だからこそよく考えてみたい言葉です。
スキャルピングなどは聞こえは良いですが、根拠の薄い売買を繰り返して終わっていたのでは最終的には大きな失敗をしてしまう可能性もありますので、手仕舞い直後に自分がどんな感情になっているのかをよく見つめ直すことが大切だと思います。
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